岩見沢農業高等学校
教育旅行実施時期
2025年6月
お話を聞いた方
- 教諭:伊勢先生
北海道岩見沢農業高等学校は、農業等の専門教育を通じて、食料生産をはじめとする産業の担い手を育成している学校です。2025年度の校外学習では、食品科学科1年生が札幌で雪印メグミルクの体験プログラムを実施され、食品製造への理解と地域課題解決への視点を培われたということでお話をお聞きしました。
1年生を対象に実施されている校外学習について教えてください。
教諭:伊勢先生
本校では毎年6月頃、1年生を対象に、各学科がそれぞれの学びに合わせた校外学習を実施しています。搾乳から加工品製造まで一貫して学ぶカリキュラムを組んでいる本校ですが、入学後すぐの1年生はまだ「農業や食品加工とはどのようなものなのか」を学んでいる段階です。雪印メグミルクさんのプログラムは、日々の食卓に並ぶ品々がどのように製造されているのか、その過程の全体像や工夫、そして食糧生産に携わってきた人たちの想いを学ぶのに適していると感じ、訪問先に決定しました。


校外学習の行程や事前・事後学習をどのように組み立てられたのか教えてください。
丸一日ある校外学習の時間の中で、午前中にロイズカカオ&チョコレートタウン、午後に雪印メグミルク札幌工場を訪問する流れにしました。まずはロイズの施設見学を通して楽しみながらチョコレートの製造過程を簡単に学んだ後、雪印メグミルクの体験プログラムである講話や歴史館・工場の見学に参加した方が、より深い学習につなげられると考えました。
事前学習では2時間ほど時間を取り、訪問先について自分たちで調べてもらい、「どんなことを聞いてみたいか」「何を学びたいか」を考えてもらうようにしました。当日は、校外学習用のワークシートにメモをしながら見学し、後日授業でフィードバックも行ったことで、学びが深まったのではないかと思います。
雪印メグミルクのプログラムの中で、印象に残った点を教えてください。
酪農と乳の歴史館が特に印象的でした。雪印乳業がバターから始まったという歴史や、昔使われていた機械を実際に見ることができ、生徒たちのワークシートでも「雪印乳業が最初バターから始まったなんて知らなかった」「牛乳のイメージがあったけど、幅広い乳製品を作っていることに驚いた」という感想が多く書かれていました。
工場見学では、大規模な設備で牛乳や乳製品が生産されているという実感を持てたこと、ペットボトルを再利用した作業服など、実際に環境問題に取り組んでいる姿を見られたことが良かったと思います。生徒たちは「実際に日常の業務から環境問題に取り組んでいることがよくわかった」と、自分の目で見て、具体的に考えられる内容に強い関心を示していました。
また、プログラムの最後には、現代のSDGsにつながる「健土健民」という雪印メグミルクの創業理念や、今、注目されている「プラントベースフード」などを説明いただき、2年生以降に課題研究を実施するうえで参考になる部分が多かったと思います。


最後に、今回の校外学習全体や札幌での体験についての印象を教えてください。
今回の校外学習では、生徒たちに日々の食卓を支える食品製造がどのようなものなのか、知識だけではなく、より実感も含めて理解してほしいと考えて計画しました。プログラムの中では、企業が地域社会や世界的な問題の解決に向けて動いているということも感じてもらえたのかなと思います。
本校の生徒たちは、2年生以降の課題研究で地域課題の解決に取り組みます。その際に大切になるのは、まず課題を見つけられるような視座を養うこと。そして、学校内だけで完結することなく、実際に地域で活動している企業などに話を聞いたうえで、課題の設定や解決策の検討を検証することだと感じています。
そのような力を養っていくためのひとつのきっかけとして、今回のようなプログラムの場は大切だと考えています。
また、この雪印メグミルクのプログラムは、農業に普段触れていない普通科の高校生にとっても、価値ある体験だと思いました。北海道の酪農・乳製品の歴史は、雪印メグミルクの歴史と深く重なっています。特に道外から来る生徒さんは、既に北海道に対して、「自然が豊か」「広大な土地」というイメージは持っているかと思いますが、実は日本の食料生産を担っている、非常に大切な場所でもあります。私自身、東京の農業高校出身なのですが、こちらに来て想像を上回る北海道のすごさを知り、圧倒される感覚がありました。
このプログラムでは、北海道の食料生産の魅力や、食卓を支える仕事の意義を学ぶことができると思います。札幌とその近郊には、雪印メグミルクをはじめ、食品製造に関わる施設が多くあります。受け入れも快く対応していただけることが多く、移動もバスなどでスムーズにできると思いますし、質の高い学びの環境が整っているように感じています。
