参加者の声

兵庫県立尼崎高等学校

教育旅行実施時期

2025年9月

お話を聞いた方

  • 教諭:大矢先生

兵庫県立尼崎高等学校は、生徒の個性を大切にし、体験を通した学びも含めた教育を実践されています。2025年度の修学旅行では、札幌でのコース別学習として、アイヌ文化体験を中心に、生徒が実際に手を動かし、心で感じる多彩なプログラムを実施されたということでお話をお聞きしました。

教諭:大矢先生

 本校では修学旅行の行き先は1年前から決まっており、現在の2学年の生徒たちが入学した時点で、すでに北海道への修学旅行が決定していました。コロナ禍を経て、多くの学校が修学旅行の見直しを行う中、本校では行事検討委員会で検討し、3年間は北海道へ行くことが決まりました。観光・研修だけではなく、文化体験や自然体験など幅広いプログラムを取り入れられることが魅力的だったのではないかと思います。

 3泊4日の行程で、1日目は伊丹空港から新千歳空港へ。2日目は午前中に大倉山と羊ヶ丘展望台を見学し、午後からは旅行会社より提案いただいたSDGsプログラムの中から選んだ体験学習を実施しました。 体験プログラムは、アイヌ舞踊とムックリ演奏、アイヌ文様刺繍、コカ・コーラ工場見学、果樹園体験の4つのコースを用意し、生徒自身が選択しました。

 特にアイヌ文化のプログラムを選択肢に入れたのは、他地域の文化に触れて理解を深めてほしいという思いと、地域の特性を考えてのことでもありました。 尼崎、特に南部の地域は、「だんじり」などお祭りが盛んで、太鼓や地車に幼い頃から触れている生徒もいます。歴史的なことを座学で学ぶのももちろん良いのですが、実際に手を動かしたり、体を動かしたりする体験の方が、より主体的な取り組みとなり、記憶にも残ると考えました。

 私はムックリと舞踊のプログラムに参加しました。ピリカコタンの文化施設に入った瞬間から、生徒たちは空間が醸し出す雰囲気と壁にかかる模様や衣装に興味を示して、写真を撮っていました。ムックリという楽器は初心者が上手に鳴らすのは難しいのですが、だからこそみんな本気で音を出そうと夢中で取り組む姿が印象的でした。舞踊では、生徒が前に出て踊らせてもらったり、衣装を着せてもらったりと、貴重な体験ができて本当に良かったと思います。

 何よりスタッフの方々が、全員が気楽に参加できるように、盛り上げてくださったことも大きかったと思います。アイヌ文化のプログラムを体験した生徒たちのアンケートを見ると、「実際に触ったり演奏したりできてすごく楽しかったし勉強になった」「人々がアイヌの文化を大切に受け継ごうとしている想いを感じた」といった声が多く寄せられていました。ムックリも大変好評で、家で練習していると言う生徒もいました。普段あまり触れる機会が無かったアイヌ文化が、自然な形で身近なものになったのではないかと思います。

 生徒には、その場所でしかできない体験をさせてあげたいと思っていました。普段は都市部で生活している尼崎の生徒たちにとって、北海道の雄大な自然や景色は本当に印象的だったようです。また、札幌での自由行動では、狸小路商店街や二条市場、ラーメン横丁などが人気で、事前にチェックして行きたい場所を決めている生徒も多かったです。 修学旅行を計画するにあたって、今回利用したような体験型のプログラムは貴重な機会だと感じました。

 多くの生徒が参加したアイヌ文化のプログラムでは、自分と違う地域の文化を肌で感じることで、その魅力を知り、文化を継承することの意味や重要性を感じてほしいと思っていましたが、生徒の感想からも「文化を伝える人がいることが大切」という声もあり、講師の方々の想いが伝わったのではないかなと思います。

 修学旅行は、訪問先の土地の良さを自分の五感で知るとともに、自分の暮らしている地域の良さを客観的に改めて気づくことができる機会でもあると思っています。 今回の北海道での時間が生徒の記憶に残るものになればと思いますし、大人になった時に「あの景色をもう一度見たい」「あの体験が面白かった」と思い出してもらえたら嬉しいなと思います。

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